喋る本と喋らない少年
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あらすじ/作品情報
雨の降りしきる街で少年は、何年も父の帰りを待っていた。無口で非力な少年は街の大人たちに良いように利用されていたが、「いい子で待ってればお父さんは帰ってくる」そう信じ、今日もふたりの「思い出の場所」である廃墟を訪れる。すると、瓦礫の中からどこか聞き覚えのある声に呼びかけられる。「手を貸してくれないか?」無我夢中で瓦礫を掻き分けた先に見つけたのは、一冊の本だった。混乱する少年をよそに本は軽快に喋り続ける。「そんじゃ自己紹介から始めるとするか!お前さんはそこに座ってるだけでいいぜ。本ってのは、人間を楽しませるためにいるんだからな!」おしゃべりな本と無口な少年の邂逅がもたらすものとはー?(今作は2025年9月開催「COMITIA153」で発行した同人誌「喋る本と喋らない少年」の電子版です。)55ページ